土用(どよう)とは、変化・殺滅作用がある土気が強まり、人体に悪影響を与えやすい期間だと東洋医学や九星気学では考えられています。
もともと「土用」とは正しくは「土旺用事(どおうようじ)」であり、これは母なる大地の気が1番強く働く時期を意味します。
春・夏・秋・冬に、それぞれ18日間ずつ春土用・夏土用・秋土用・冬土用とあり「土用の丑の日に鰻を食べる」は、夏の土用の「丑(十二支の土気)」の日は、土気が強まるから精のつくものを食べましょうという意味でした。
(そもそも鰻の旬は夏ではないので夏土用の鰻の質は実は低い)
ちなみに、この「旺(おう)」とは食欲旺盛などに用いられる「旺」であり、陰陽論における「三才」の生・旺・墓の「旺」でもあり、その働きが最頂点に至っていることを表しています。
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目次
二十四節気の中に数えられる「土用」は、先にも触れた通り「土気旺盛な時期」として、様々なことを招いて来ました。
農家の生まれの方やおじいちゃんやお婆ちゃん子だったという方は、こんな言い伝えのようなことを聞いたことがあるかもしれませんね。
など……
今でも土用期間には引っ越しをしない方が良い。家の改増築や事業の開業などは避けた方が良いと言われることもあります。
さて、それはなぜかというと土気とは、万物の基礎であるだけでなく。『earth to earth, ashes to ashes, dust to dust (土は土に、灰は灰に、ちりはちりに)』という一節のように土気は万物をいずれは無へと帰す恐るべき力を持っている土気が一番強くなるタイミングだからです。
例えば死人の顔色だったり、内臓が病に侵され顔色が悪い人の顔を「土気色」と呼ぶように、死と土とは密接な関係があり、万物の母たる大地は全てを生み出す地母神であると同時に、全てを無へと帰す死神でもある。
そんな万物に影響を与える土気に対して、私達人間ごときが出来ることはほとんどありません。
大げさに聞こえるかもしれませんが、世界規模で調子が悪くなりやすい時期に「身を守る」以外の対処法があるでしょうか?
「季節の変わり目」でもある土用期間中に体調を崩しやすくなるのも、人死にが増えることがわかっていたとしても対処することが難しいからこそ、平賀源内よろしく「精がつくものを食べて英気を養い過ごしましょう」ぐらいのことしか、私達には出来ないのですから。
そして、そんな殺滅の気が強い時期に不用意に土気そのものである「土いじり」をするのは当然危険ですし、生活の”地盤”を揺るがすような引っ越しをすれば無事で済むわけがない。
また地面から湧き出ている温泉に、土気が混ざるからこそ土用期間は温泉に入らない方が良い――というような東洋思想的なロジックが成り立つのです。
私達のご先祖さまは、今よりもずっと自然やスピリチュアルな存在が身近だったこともあり、危険な土用の日を上手に乗り切る方法や活用する方法もご存知でした。
など、万物に死をもたらす土気ですが、それを逆手にとって殺菌作用を高めたり、防虫のために利用したりして私達のご先祖さまたちは土用期間を乗り切っていました。
2021年の土用期間は上記の通りです。
この時期はなるべく土いじりや大きな買い物や転居は避けた方が良いでしょう。
ただ18日間も土いじりや温泉に入れないなど、不便ですよね?
そんな時は「土用の間日(まび)」に行うと良いとされています。
(ただし、土用期間は土用期間ですので無茶はされない方が良いでしょうが)
土用の間の日とは、土気が強まる土用期間の中で、土気が弱まる「間の日」という意味です。
土用期間であっても、気は転換を繰り返すので土気が強い時期と弱い時期がある、という考え方ですね。
実はこの間日は、土用ごとに異なります。それぞれの期間で異なる3つの干支の日は土気が弱まるため土いじりが出来ると考えられています。
さて、これだといつなのかが分かりづらいので西暦に直すと次の日時となります。
この章では、なぜ土用期間に土気が強まるのか。それがなぜ私達に悪影響を与えるのかという部分をスピリチュアルな東洋思想のロジックを踏まえてご紹介します。
さて、早速ですが下記の画像をご覧ください。
春・夏・秋・冬に、それぞれ18日間ずつ春土用・夏土用・秋土用・冬土用を図にシたものです。
ちょうど冬と春の間・春と夏の間・夏と秋の間・秋と冬の間というように十二支の間に位置していることがおわかり頂けるかと思います。
そもそも十二支は季節・年・月・日・刻(2時間)・方角を表しています。
土用とは、画像をご覧頂くとわかるように「季節がゆっくりと変化していくその時期」を表しているということ。
これは「陰陽は流転する」というように、万物は常に変化し続けており、その変化が一番大きい時期を「土用」と呼んでいるからです。
詳しくはコチラの記事で解説していますが、とりあえず季節の「変わり目(変化)」の時期は土気が強いのです。
土化作用による”変化”とは生者が死者になる変化も、霊魂のみの死者が生まれ変わって生者になる変化も含むからです。
そして、風水に詳しい方は上記の図を見てピンときたかもしれませんね。
そう土用期間の夏の丑の日とは《鬼門》と呼ばれる丑寅の季節だからです。
風水で「悪いものが入ってくる」「泥棒が入ってくる」と言われる方角が、鬼門です。
その対冲(反対)に当たる方角を裏鬼門と呼び、コチラも鬼門と同じく軽快される方角です。
もともとは中国で異民族が侵略してくる場所が鬼門とその反対側に位置する裏鬼門だった――ということから来ていますが、これは丑寅の方角と未申の方角は土気が強く。変化をもたらす方位だったことに由来します。
そして、これを180度ひっくり返すと、今度は春土用・秋土用の時期となるのです。
このように十二支は季節を表し、年月日を表し、時刻を表し、方位を表しますが土気が強いタイミングは無関係に見えて季節・時刻・方位でそれぞれ共通しています。
この土気が強まる「危険な時期」を逆に上手に利用したり。「いつ・どこで・どんなタイミングで」土気が強くなるのかを把握して避けたり、防いだりする方法が風水だったり、九星気学だったり、四柱推命だったりするのです。
西洋でも「アーシーズ」と呼ばれるように土のエレメンタルがあり、五行論と決して無関係ではありません。
ホロスコープは地の気ではなく、天上界(宇宙)から降り注ぐ天の気を使って占いやその人の性質を決めているため、やはり西洋の占いも木火土金水と深く結びついています。
一見荒唐無稽めいた占いや東洋思想の世界――スピリチュアルな世界ですが、そこには先人の知恵がつまった世界の理が織りなす、地の気の巡(めぐ)りを符号・記号化したものが十二支なのです。
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