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十干とは何かを学ぶ前に、十干のそれぞれの呼び名をまずはご紹介しましょう。
今の若い人は、よほど占いや東洋哲学に詳しくないと知らない方が多いでしょうから、この機会に覚えておくと創作系の方はネタとして使えますよ!
念のために、触れておきますが「陽が良い、陰が悪い」という分類はありません。
あくまで陽は陽の性質があり、陰は陰の性質があり、万物はそれぞれの比率は違えど、すべては陰陽で出来ている、ということをお忘れなく。
十干は上記のように五行「木火土金水」の5つの気が陽化・陰化した働きを分類したものが十干です。
それぞれ呼び名に「え」「と」がついていますが、これは陽を兄。陰を妹として見立てているからです。
(東洋思想では男性は陽、女性は陰として分類されるため)
ちなみに十干の覚え方としては「甲と乙の閉廷(丙丁、へいてい)が簿記更新時期(ぼきこうしんじき)」と覚えると良いでしょう。
十干は太陽とその日の光を浴びて成長していく植物の様子を象形文字(漢字)に当てはめたものです。
円の図が分かりづらい場合は、このように時間軸に当てはめてみるとわかりやすいかもしれません。
「十干成り立ちの図と解説」で、それぞれがどのような季節であり、植物におけるどのようなタイミングを表しているかをなんとなくご理解して頂けたかと思います。
この章では、十干それぞれを詳しく解説していきます。
「甲」は甲虫のように、発芽する植物の芽が種の甲羅をかぶっているような姿を表しています。
「乙」は発芽し草木が、大きく伸びるために屈伸している状態を表しています。
「丙」は囲いの中で、火が燃えたぎっている状態を表しています。
囲いの中で火が燃えたぎり、その熱は最長期をむかえます。
「丁」は「一(枝葉)」と「J(幹)」を組み合わせて、草木の成長が盛んになり実りの秋を迎えつつ様を表しています。
真昼の暑さの中に、少しずつ冷たい空気(陰気)が含まれています。
戊は草木が「茂る」という意味を持ち、旺盛な火気の影響を受けて土気も盛んになる状態。
「夏土用」の初期~中期にあたります。
「己」は「紀(き)」と言う意味を持ち、物事の「始まり」を意味します。
何がはじまるのか? 十干においては冷気(陰気)が強まっていき、収斂作用によって果実は実り、万物が固くなっていく様を表しています。
庚は「更」と同じ意味を持ち、物事が新しく更新されていく様を表しています。
更新される――つまり、草木が実を蓄え枯れて行く状態に姿を変えていく様子。
「辛」は「新しい」という意味があり、状態が変化(更新)された植物が新しい状態に変わっていく様を表します。
「壬」は妊娠の「妊」の字と同じ意味であり、植物や動物が次の世代を孕む様子を表します。
この時期が「陰遁の頂点」であり、今ここに「陰陽転化」が起きて、陽が生まれつつある状態が壬なのです。
「癸」は草木も枯れ果て、万物が何もない状態を表しており。測量する「揆(はかる、はかりごと)」を意味し、春を持つ種子が地上に伸び出てこようとする状態を表します。
これで十干とは何か、十干がどういった意味を持つのかをご紹介しました。
改めて自然現象を「象形文字(漢字)」で表現した先人の智慧に驚かされますね。
さて、次のページでは「十二支」について十干と同じように詳しく解説していきますよ!