陰陽五行の陰陽に関して『陰陽五行の「陰陽」とは? 占い・東洋思想・漢方の基本の陰陽の世界』でご紹介させて頂きました。
次なる『陰陽における『三才の法則』 万物を形創る生・旺・墓のワルツ』では陰陽が奏でる万物のリズム”三才(さんさい)”について解説しました。
今回は陰陽五行の「五行の成り立ち」について紐解いて参ります。
五行――木火土金水とは、上記のように陰(加冷性)と陽(加熱性)とが混じり合い。その中で生旺墓のリズムによって、陰と陽の比率が変わることによって生まれる存在です。
「土」を解説する前に、まず木火金水について理解を深めて行きましょう。
さて、三才でも使いました上記のイラストは陰陽のバランスによって季節が生まれることを意味しています。
春の寒さ・暑さと秋の寒さ・暑さは”温度としては”同じです。
しかし、それぞれ体感する温度は微妙に異なることがアナタにも分かるはず。
その微妙な差こそが「木気(春)」と「金気(秋)」の違いなのです。
ここから説明する木火金水に関しては、ご自分の体感や季節ごとの自然環境や温度・湿度の違いを思い出しながら、読み勧めてみてくださいね。
上記の図のように木火金水を紐解いて行きたいと思います。
まず春の働きを表すのが「木気」。
春は芽吹きの季節ですが、草花が成長していく季節でもあります。
古代の人々はこの草木が伸びる春の働きから「木気」と名付けました。
太陽の熱が少しずつ地表を”加熱”して行き(陽遁)、草木が伸びる(伸長)する時期です。
春がすぎ加熱性が最大になり、地表が太陽の熱によって非常に暑く温められるのが夏……つまり「火気」です。
陽気がもっとも強く「最加熱」する時期(陽遁の頂点=全開と呼ぶ)であり、植物たちの成長が頂点に達する(最伸長)時期です。
秋は陽の気が終わりを迎え、陰の気が少しずつ強くなっていく。
植物が栄養を蓄え、実を結び。栄養が凝縮されるように植物や縮こまる状態へ冷やされる働きを収斂(しゅうれん)作用と呼びます。
この収斂作用として金属が冷えて凝縮することから、秋の働きは「金気」と呼ぶのです。
そして、冬は植物が葉を落とし、出来る限りエネルギーを消費しないようにする。
陰遁の頂点による収斂性が最大値に至ることを「全閉(ぜんへい)」と呼び。冷気、モノを冷やす存在の代表である「水」のイメージから冬の働きを持つ気を「水気」と呼ぶ――。
このように「木火金水」は太陽と宇宙の寒冷の影響によって形作られる「自然の働き」を表すものなのです。
そこに医学的な視点を加味すれば、それは東洋医学・漢方となり。そこに占い的な意味を加味すれば四柱推命や易経、九星気学となる。
ただし、東洋思想は厳密には占いではないの東洋思想に基づく考え方は「≠占い」と考えるべきでしょう。
次のページでは木火”土”金水の土の特異性について語って行きます。